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しばらく進むと周囲の人間との距離が少しずつ開き始め、流れが落ち着いていく。
私は横に逸れると、次は自分の足で歩き始めた。
相変わらず酒を持ったお化けたちは多いが、一人ひとりの顔を見定めるくらいには余裕がある。
今日の私は行きずりの男を探していた。
このハロウィンの夜に、一緒に魔法にかかってくれる男を。
日常生活の中ですれ違うだけの男でも、今日は関係ない。
どうせ魔法が解ければ忘れてしまうのだから。
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