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さっきも言ったけど私の名前は吹川琴香。
何の変哲もない高二のJKだ。
強いて特徴をあげるなら……手先が器用なことかな?
料理は上手い方だし、自分で言うのもなんだけど私の手芸はプロ級だ。
この前、普段授業なんて真面目に受けないのに、家庭科の時間に気が向いたから、ちょ~っと本気出してトートバッグ作ったんだけど
そしたら先生にめっちゃ褒められる
プラス
なんとなんと校長室の前の廊下に掲示されちゃった!
そんなにしなくていいのに、はりつけの刑ばりに画びょうでめった刺しにされてさ……
おかげでぶつぶつ穴だらけのバッグになっちゃってたから、ちょっと迷惑だったけど嬉しかった。
まあそれくらい私の手芸は素晴らしいってことよっ!
これもお母さんが優しくお裁縫を教えてくれたからなんだけどね。
そんな私の大切な日課。
それが毎晩の私とお母さんの夕食を作ることだ。
お母さんは毎日のようにお仕事で深夜まで帰ってこないし
お父さんは私が生まれる前に事故で死んでしまった。
私はお母さんの帰宅を待って、疲れて帰って来たお母さんの為にとびっきりのごちそうを作るのだ。
私を女手一つで育ててくれたお母さんにできるだけ親孝行したいし
お母さんが料理を食べている時間はお母さんとお話が出来る貴重な時間でとても楽しみだった。
お母さんはよくお父さんのお話をしてくれた。
話の中のお父さんは頼りになって、
優しくて、
やるときはやる男で、
そしてかっこいい。
私はお母さんもお父さんも、大好きだ。
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