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その時も学校の屋上で考え事をしていた。
親友の朱里に教えてもらった秘密の空間。
今日は何作ろうかな~……
そうだ中華に挑戦してみよう!
エビチリチリチリ~♪
私は家に帰る前に陸上部とか野球部が運動場で練習しているのを見つつ
晩ご飯のメニューを考えるのが日課だった。
私の高校は山の上にあったから屋上から町中が見渡せた。
あそこから見ていると町がミニチュアみたいに小さく感じる。
南向きの面に1mくらい柵の無いところがあって、
そこが私の特等席だった。
エビチリもいいけど……やっぱり今日は麻婆豆腐にしよっ!
そう決意して立ち上がった時。
私はバランスを崩した。
あ、落ちる
石とか何かがあったわけではない。
少し夕食に気を取られすぎていたのかな?
私の体は大体十五メートル位の高さから
夕焼け空を真っ逆さまに落ちて行った。
季節外れのウロコ雲がきれいだった。
不思議と死ぬことへの恐怖は感じなかった。
代わりに体が軽くなるような感覚を覚えて……
そのまま私が死んでしまったかと言えば、違う。
私の体は、異世界、フリルグ王国へと飛んで行った。
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