A true blessing 天からの贈り者「六田亜矢子女医 29才が見た白昼夢」の続き、後半34-2からになります。

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60.   キターっ!!!   真樹夫から返事が届いた。  どうやら会ってもらえそうだ。  拒否られることを考えるとメールを出すことは かなりプレッシャーがあった。  だが、こうなってみると本当に出して良かったぁ~と しみじみ思った。    俺が離婚を突きつけ亜矢子の元から去ったのは確か 真樹夫が3才の時だったと思うので、実に13年振りの 再会になる。  人事のようだが13年、そんなに月日は過ぎていたのか、と 思った。なんか夢を見ていたような気までしてきた。  そんな夢見ごこちの俺は、心のどこかで亜矢子たちとの 暮らしを考えていた。  真樹夫との再会した時の様子次第で、亜矢子にも連絡を取り 復縁を申し出てみるつもりだった。  13年も過ぎているのだから、当時の俺の身勝手を許して水に 流してくれるんじゃないだろうかそんな風に思っていた。  俺は亜矢子を嫌いになって別れたわけではなかったのだし。  景子の派手なひと目をひく美貌と勝気な性格と野心、そんな ものに心を奪われてしまっただけのこと。  ただの気の迷い、少しの浮気ごころからのものだった・・ 本当に愛しくて大事な相手は亜矢子だったと、景子と別れた 時に再認識していたけれど、亜矢子を裏切った罪悪感から 今まで復縁を言い出せずにいたが、今回の帰国を機に 自分の本心を君に話したくなった・・そんな風に亜矢子に 自分の心からの気持ちを聞いてもらおうと考えていた。
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