A true blessing 天からの贈り者「六田亜矢子女医 29才が見た白昼夢」の続き、後半34-2からになります。

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61.   母さんが言った。  「真樹夫の実のお父さんのこと恨んでる? 」  「う~ん、どうだろう。  恨んで・・ない、たぶん。  だって俺にはいつもにぃにぃ(三浦)がいたからなぁ~。  流石に父親だとは思ってなかったけど幼心にも大人の男の人 だったから頼りにしてたんだろうね。  ほんとの父親になってくれた時はすんごくうれしかったの 覚えてるよ。  ずっとにぃにぃみたいな父親が欲しいと思ってたから。  にぃにぃが俺の側にいてくれるようになってからずっと 神様にお願いしてたもんね。  僕ににぃにぃを下さいって。(笑)  他所の子のモンにはならないでって」  母さんに今まで話してなかった今の父親に対する気持ちを 俺はこの時、初めて話したのだった。  「三浦くんは昔も今も私達の癒しだね」 って母さんが言った。  「ン・・ぅん」(恥:) ・・・  帰国してまずしたことは、真樹夫に会うことだった。  ずっと夢見てきた・・息子に、俺の息子に会えるンだと 思うと俺の心は歓喜で打ち震えた。  真樹夫がファミレスがいいと言うのでカジュアルに ファミレスで会うことになった。  しかし、迂闊だった。  俺は真樹夫の今の姿を知らないじゃないか。  それ相応の年頃の少年を探せば判る・・かと自分を 安心させたものの、その日その時に限ったことなのか いつもそんな風なのか、そこには大勢の男女の若者が 座っていた。  そだ・・落ち着けぇ~  ひとりで座っている若者なんてそうそういまい。  店内を改めて見回した。  遠めにひとりガタイの良いなかなかの容姿端麗な少年が 視界に入り込んできた。  とりあえず、間違いがあってはいけない。  確認だけはしないと・・。  俺は歩を進めた。  俺が席に近付くとその彼は俺の方に顔を向けてきた。  「失礼だけれど君が真樹夫くん?」  「・・。はい、真樹夫です」
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