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62.=
目の前の息子は3才の頃の面影はなかった・・というより
俺自身が3才の頃の息子の顔を全く思い出せないことに
愕然となった。
「ぃやぁ・・大きくなってりっぱになったね。
驚いたよ。Haha(乾いた笑)
ところで母さんは元気にしてるかい? 」
「あぁ、はい。頑張って患者さん達を診てますよ」
「そっか・・」
13年振りに会った親子の会話がそうそう続くわけもなく・・
会話が途切れた頃、返事をくれなかったハガキのことを
持ち出して少し苛めてやろうかと思った矢先・・。
ひゃぁ~彩乃が連れてけって言ったんだろうな、容易に推測
できる展開で義父親(三浦)が彩乃といっしょに店内に入って
くるのが見えた。
妹の彩乃はここのお子様ランチが大好きで
よく義父さんにリスエストするんだよなぁ~。
2人のことが気になって真樹夫は目の前の人の話を
し半分にしか聞けなくなっていた。
なんか、俺の耳に通り過ぎていった虚しい言葉の数々は
また一緒に暮らせたら・・とか、そんな言葉の羅列のよう
だった。
「はぁ、ひぃ、ふぅ~、へぇ~ほぉ」と俺は心ここに
あらずで相槌を打っていたようないなかったような。
そんないい加減な相槌でも目の前の男はうれしいようで
ずっと話し続けた。
義父親が俺に気付いて近付いてくる。
「よっ、マッキー・・今夜は俺の手料理だからな。
あんま、食べ過ぎんなよ。
外食は太るしな」
俺が義父親を見ると同時に目の前の実父も義父親(三浦)の
方を見た。
互いに面識があったのだから、すぐに相手のことに気付いて
大人の挨拶を交わした。
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