A true blessing 天からの贈り者「六田亜矢子女医 29才が見た白昼夢」の続き、後半34-2からになります。

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62-2.  「あっ、これはお話中失礼しました」そう言い残して 義父親(三浦)は彩乃の座っている席へと戻って行った。  義父親(三浦)には実父に会うことを話してなかったので 真樹夫はかなり焦った。  一方三浦のほうは予め亜矢子からちゃんと話を聞かされて いたので真樹夫と向かいの人物を見て大体のことは想像が ついた。  この店に来たのはたまたまだったのだが、真樹夫が 男性と向かい会ってるのを見てピンときてしまった・・ ピンと・・きちゃったのだ。  様子見だけしていればよかったものを何故か真樹夫に 突然声かけしたくなってしまった。  なんでだぁ~?  はて・・。  真樹夫の実父親に対する対抗心なのか?  それともたんなる興味だったのか?  独占欲だったのか?  真樹夫に声をかけ、実の父親にも簡単にだが挨拶を した。  考えていくうちに何となくおぼろげに自分の心の 内が見えてきたような気がしてきた。  俺は何も知らないアイツに、真樹夫の実の父親に 真樹夫の父親は俺なんだって無意識に言いたかったのかも しれないなぁ。  お前より強く真樹夫を愛しているんだよぉ。  絶対そこは負けんっ・・って。  そんな気持ちがどこかにあって、あんな言動に はしってしまったのかもなぁ。  まぁそんなやこんないろいろ考えを巡らせてみたものの 人間ってヤツは時々自分でも後からいくら考えても 理由を説明できない言動をとることが一生のうちに 一度や二度あるんじゃないかなぁ。  そんな風にも思えて・・だんだんグダグダになって いきそうになり、俺は自分に言った。  もう忘れろ、彩乃の相手に集中しろ、と。
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