A true blessing 天からの贈り者「六田亜矢子女医 29才が見た白昼夢」の続き、後半34-2からになります。

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63.  義父親(三浦)の顔を見たら、復讐しようとしていた醜い 気持ちがいっぺんに無くなった。  自分がこれまで三浦のお陰で幸せだったことに 今さらながら気がついたから。  幸せな人間は復讐なんて考えないものなのだということにも 気付かされた真樹夫だった。  いつの間にか気がつけば、心の中で父さん・・父さん・・と うさんと、三浦を慕っていた。  俺の父さんは義父親(三浦)だけだ。  時々こっちの様子見で俺と視線があうと、義父親(三浦)は にこにこ光線を放ってくる。  なんか泣けてくんなぁ~。  しかし、彩乃はなんなんだよ。  冷たい女(妹)だ。  こっちに一度も寄ってこない。  彩乃と俺はいつも義父親(三浦)を取り合いするくらい義父さん Loveだからな、今日は独り占めできてルンルンなんだろう。  義父さん、もしも俺と彩乃のふたりが海で溺れていたら 小さくてそして何より実子の彩乃を先に助けるって判ってる。  もし俺と母さんが危険な目に遭ったら、惚れてるか弱い 母さんを先に助けるっていうのも判ってる。  だけど俺がひとり池に落ちたのを見たら絶対身の危険を顧みず 俺を助ける為に迷わず池に飛込んでくれるって信じてる・・ 信じることができるよ俺。  頼りにしてるんだ義父さん。 ・・・  「当時から(真樹夫が病院内の託児所にいた頃)彼は君のことを 我が子のように可愛がっていたと聞いているが、今も家族同士の 交流があるんだね。  彼は娘さんができた今でも君のことも気にかけて くれてるなんて、1度機会があったらお礼言わないといけないね」  何も知らない目の前の人はそんな風に言った。  何て言えばいいのか、こんな時。  確かに実の父親すらしてくれなかった、あんなことやこんなこと してもらったことはたくさんあるから礼は言ってもらって 大いに結構だが。  真実を知った後でもちゃんと言ってくださいよ・・っと。
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