プロローグ

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プロローグ

昨年の夏。あれは、凛空(りく)が野球部の練習から帰ってくる途中だった、そうだ。 無謀運転のトラックが、凛空をひき殺した。 私は、そのとき、無邪気に飼い犬のレンと一緒に遊んでいた。 知らせを聞いて、病院に向かった。 ひかれたのは、胴体で、顔は、とてもきれいなままで。 私に、「よう、明日、どっか遊びに行こうか」って 今にも話しかけて来そうな金曜の夜だった。 「凛空・・・嘘だよね?」 私の涙は、とめどなくあふれ続けた。
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