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私は現在と未来を生きる
「絵梨ちゃん・・・?大丈夫?」
雨宮くんがいたわってくれる。この人は、本当に優しい人だ。すぐには無理かもしれないけど、いつか、誰かを愛せるとしたら、この人だ、と確信した。
「大丈夫・・・あの・・・ブレスレット・・・しばらく預かってていいかな?私の気持ちの整理がつくまで」
「もちろん。僕は待ってる。何年でも・・・10年でも20年でも。絵梨ちゃんが、好きだから。それは、変わらないから」
凛空・・・いいのかな、ほかの人を好きになっても。凛空のこと、忘れない。でも、それとは別の次元で、好きになってもいいかな。
「家まで送らせてくれる?」
雨宮くんが言う。
「うん。家でココアでも飲んでいって」
自然に誘えたのは、凛空の後押しがあったからだろうか。あなたのこと、忘れない。でも、もうあなたのことで泣かない。私は、現在と未来を生きるの。そう思ったら、忘れたころの花火が一発、ぱぁん、と夜空に広がった。
*fin*
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