えっ、凛空・・・?

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えっ、凛空・・・?

私たちは、高校3年生。予備校の夏期講習がある。私は、国語の教師になりたくて、国立大の教職課程を取ろうとだけ、考えていた。 「あっついね~、絵梨。講義、しんどいね」 親友の明日香(あすか)がけだるそうに言う。 「ね~、でも、この夏ががんばりどころよ!」 ほどなく、授業が始まった。1限目は数学。あぁ、数学は苦手だ。・・・と思っていたら、くらくらっときて、バタンと倒れてしまった。 「坂田!だいじょうぶか?だれか、坂田を医務室へ」 アメフト部の同級生、雨宮くんがお姫様抱っこをして、医務室まではこんでいってくれた・・・らしい、と言うのは、あとから医務室の先生に聞いた話。お姫さまを守るナイトのようだったわよ~、なんて、茶化された。 「軽い熱中症ね。頭を冷やしておけば、じきによくなるでしょう。私は、ちょっと席を外すわね」 と言われた。ふぅ~、熱中症か。水分補給には気を付けていたつもりなんだけど。 頭に乗せていた濡れタオルが取られて、新しいものに変えられた。あれ?先生、出掛けたんじゃなかったの? と思って、目を凝らしてみると・・・そこには、1年以上もの間、恋しく恋しく思っていた凛空の顔が。 「お前、何やってんだよ。今、ポカリ買ってきてやる」 私の頭の中は、パニック!凛空?本当に凛空? ほどなくして、が戻ってきた。 「1年ぶりだな。元気だったか、絵梨?」 「り・・・く?」 私は、本当であってほしいという気持ちと、嘘でしょう、って言う気持ちがごっちゃになっていた。 「あぁ、僕だよ。やっと気づいてくれたね。ずっと、絵梨のそばにいたんだぞ」 「・・・気付かなかった」 「絵梨のドンカン!」 「もうっ、今気づいたから、いいじゃん。幽霊って、物に触れられないんじゃなかったの?足もあるし」 そしたら、凛空は少し哀しそうに 「僕ね、まだお迎えに来てもらえないんだ。地上に執着があるって。そういう幽霊は、物にも触れられるし、足もあるんだ。ただ、食べ物は食べられないけどね」 「・・・そうなんだ」 凛空の執着、なんだろう。もしかして、私・・・?なんて、自惚れもすぎるよね(笑)
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