4人が本棚に入れています
本棚に追加
絵梨の部屋で
講義が終わったあと、私は、凛空と手を繋いでゆっくり歩いた。
「凛空はどこで寝るの?」
「幽霊だから、寝なくてもいいの。寝ることもできるけどね」
私が、言おうか言うまいか、もじもじしていると
「絵梨の部屋で寝ようかな・・・大丈夫、何もしないよ。キスくらいは・・・するかもしれないけど」
「嬉しいよ、凛空・・・」
凛空がぎゅっと私を抱きしめた。
凛空はごはんを食べない。今日の夕食はハンバーグだったけど、いる?と心で問うわたしに、かぶりを振る凛空。
「絵梨、今日は顔色が大分いいじゃない。なんかいいことあったの?」
と問いかける母に、
「何にもない、ない。地味~な、受験生ですよ」
とごまかして、自室へと逃げた。
(私がシャワー浴びてるところも、見るの?)
(ま、まさかっ!!)
と慌てる凛空に、
(ふふっ、冗談)
(まじかよっ!!絵梨ぃ!こちょこちょの刑だ!)
「きゃははは・・・」
と思わず大声で笑う私に、父が、
「どうしたんだ?絵梨?」
「なんでもな~い!」
(まずったね)
(絵梨のせいだぞ)
(じゃあ、シャワー、浴びてくるね)
部屋をあとにする絵梨。凛空は絵梨の部屋で本棚を見ていた。そして、「Riku & Eri」と言うアルバムを引き出した。ペラペラとめくって、あぁ、あんなことも、こんなこともあったな、と見た。そして、2年前の夏のドリームランドの写真を見て、強烈な頭の痛みを感じた・・・なんだ?やっとのことで、アルバムを本棚に戻した。
最初のコメントを投稿しよう!