絵梨の部屋で

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絵梨の部屋で

講義が終わったあと、私は、凛空と手を繋いでゆっくり歩いた。 「凛空はどこで寝るの?」 「幽霊だから、寝なくてもいいの。寝ることもできるけどね」 私が、言おうか言うまいか、もじもじしていると 「絵梨の部屋で寝ようかな・・・大丈夫、何もしないよ。キスくらいは・・・するかもしれないけど」 「嬉しいよ、凛空・・・」 凛空がぎゅっと私を抱きしめた。 凛空はごはんを食べない。今日の夕食はハンバーグだったけど、いる?と心で問うわたしに、かぶりを振る凛空。 「絵梨、今日は顔色が大分いいじゃない。なんかいいことあったの?」 と問いかける母に、 「何にもない、ない。地味~な、受験生ですよ」 とごまかして、自室へと逃げた。 (私がシャワー浴びてるところも、見るの?) (ま、まさかっ!!) と慌てる凛空に、 (ふふっ、冗談) (まじかよっ!!絵梨ぃ!こちょこちょの刑だ!) 「きゃははは・・・」 と思わず大声で笑う私に、父が、 「どうしたんだ?絵梨?」 「なんでもな~い!」 (まずったね) (絵梨のせいだぞ) (じゃあ、シャワー、浴びてくるね) 部屋をあとにする絵梨。凛空は絵梨の部屋で本棚を見ていた。そして、「Riku & Eri」と言うアルバムを引き出した。ペラペラとめくって、あぁ、あんなことも、こんなこともあったな、と見た。そして、2年前の夏のドリームランドの写真を見て、強烈な頭の痛みを感じた・・・なんだ?やっとのことで、アルバムを本棚に戻した。
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