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1、笑わない学院会長様!!(1)
|杉並心音≪すぎなみこころね≫は大学1年生!
偏差値が高く入学試験に落ちまくったおかげで大学留年生を繰り返し。
親との約束で今年、また、落第したら諦めて実家に帰ると親を説得までして……。
この春、何とか受かったのでした。
にしても、この学校、さすがはセレブ御用達の推進大学院!
お金持ちの人のみが入れる学問は幅広く、しかし、毎年、入れるのはほんの一握りという狭き門である。
そして、この学院の一番の売りはロイヤルクラスにある。
ロイヤルクラスとは……資産家や専門科のご子息など……。
その知識が詰まった、お子様達が可憐でまたは、学院生活を快適に過ごせる為に設備もしっかりされていて、講師には毎年バリバリ現役で働いているそんな人たちの講義が充実している。
まさに、追求された学問のみを集める、いわばエリートの中のエリート!
学院の授業に好きな時に出て良いし、卒業ラインに達すれば破額の待遇が待っている。
先行した学問により、その道のプロとして経営デビューが確約される為……。
だから、一般クラスからすれば憧れの存在、雲の上の人達なのだ。
そして、何よりも、ロイヤルクラスのメンバーは学院の運営にまで意見出来るエリートの中のエリート!!
数人のみが在籍を許される、ロイヤルクラスを束ねるクラス! その名も、ロードクラスがあり、文字通り学院の中の憧れの存在のお方達なのだ。
ロードクラスのメンバーは|月並神事≪つきなみしんじ≫……なんか他人を寄せ付けない絶対的なオーラを放ってる大学2年生! 授業科目は心音と同じ経営学。
そして、リーダー格になるのが、|珠緒秋人≪たまおあきと≫……東京都のど真ん中に立つ、何人かの趙大型セレブしか住めない、安らぎの土地セレブリゾート住居、クインズヒルズに住む大学1年生。
リーダー格で……会った事は無いけど……かっこいいらしい、それと独特のイケメンボイスな俺様な王子様キャラらしい……。
3人目は|珠緒七海≪たまおななみ≫こちらも大学院2年生。
秋人と同じく、クインズヒルズに住む女性で白鴎理人の元・彼女でかなりのしっかり者。
大学2年|白鴎理人≪はくおうりひと≫この人がこの学院の学院会長様なのだ。
そして、心音にとってはちょっとした恩人なのでした。
晴れた日、入試の合格通知を持って今か今かと、玄関の張り紙を見に行けば、突然雨が降り始めた。
ずぶ濡れになるのではと院内の左側をどんどん歩いているとお花と日差しが溢れる場違いなところに迷い込んでしまった。
そこで守衛に見つかり、慌てて入試の合格通知を見せたのに、不審者扱いされて捕まりかけた所を通りかかった白鴎理人が声をかけて来たのだった。
「高校時代の後輩と、待ち合わせをしていて、すまないな、彼女を放してもらえないだろうか?」
そう言われて慌てて守衛さん達が頭を下げる。
そしてぞろぞろと出て行ったので戸惑っていると
「何、最近の、後輩になるかもしれない子は、道徳もわきまえて無い訳?」
っと、あきれ顔。
慌てて
「ありがとうございます」
そう言えば白鴎理人が
「入試合格おめでとう、後輩かぁ、嬉しいな……学科は何を希望しているの?」
そう問われて心音が戸惑いながら
「経営学を学ぼうかと? っと、あの、貴方は?」
そうやっとの思いで聞けば
「俺かい? 俺は白鴎理人、何かあったら頼っておいで、科は違うから……お手伝い出来ないけど、精通している奴を紹介するくらいはできそうだ」
そう言われて心音はにっこりと微笑みながら頭を下げたのでした。
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