第3幕

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第3幕

甘い香りと優しい日差し   心地の良すぎるハープの音色 クララ:「なんて素敵なところでしょう!!ここは天国なのですか?」 王子:「ここは私の治める国です。ようこそお越し下さいました。」 赤 青 黄色  輝くばかり   咲いた可憐な金平糖 噴水湧き出す 滑らかクリーム   小さく悪戯にひとすくい 透き通るばかり ゼリーの空に   綿菓子雲がプカリプカリ クララ:「絵本で貴方と見たとおり・・・まさか本当にあるなんて!」 これまでにない  桃源郷    目を輝かせる小さな姫に すっと差し出す  しなやかな指 王子:「そうです。ここは本当です。貴女のような  純真で    美しい方が招かれる  ここは  御伽の国なのです。」 とりわけ大きな宮殿で   崩されたはずの料理(もてなし)と 果物  洋菓子  これは豪華な   高貴で優雅な茶話会(ティータイム) 各国屈指の踊り子たちが   二人の帰還を出迎える 王子:「もしも 貴女が 嫌でなければ  私と一緒にご一曲。」 クララ:「私はダンスをしてはいけない。体が弱くて踊れない。」 王子:「ここは 願いが叶う国。さぁ お手をどうぞ。姫君。」 優しい瞳に映るのは   いじらし照れる幼き姫。 欲望 願望 意のままに   花のワルツにうながされ クララは踊る  これまでになく 軽やかに  子どもらしく それはいつか  彼女が夢見た 実現不可能なことばかり クララは踊る  上手に踊る 夢見心地な  大広間にて
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