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第1幕
クララは可愛い女の子。
栗色柔らかセミロング
小鳥のさえずり甘い声
けがれを知らない女の子
クララはとっても可哀想。
とっても体が弱くって
すぐに熱を出してしまう
外に出してもらえない
元気に走り回れない
近所の女の子たちの
楽しそうな声を聞きながら
ベッドで一人過ごしている
クララはすごく悲しかった
みんなが普通にできることが
自分は何にもできなくて
一日中 ひとりぼっち
クララはすごく寂しかった
たったの一人でいいから
一緒に楽しく遊んでくれる
一緒にたくさんしゃべってくれる
一緒にご飯を食べてくれる
そんな友達 欲しかった
そんなある日のクリスマス
沢山の人が集まって
それはそれは賑やかで
クララが唯一 幸せな日
人形師 :
「さぁさぁ 可愛いクララちゃん。これは貴女への贈り物。どうぞ蓋をあけてごらん。」
クララ:「・・・まぁっ!!!なんて素敵な日!!夢にまで見た お友達!」
新鮮出来たてヒノキの香り
それは立派な木彫人形
小さな腕で 大きく抱いて
クルリクルリと 踊るワルツ
しかし 何を思ったか
近所で有名 悪戯少年
人形奪って 蔑み嘲笑
少年:「見ろよ この口この目玉。兵隊さんには程遠い。醜い可笑しい作り物。」
クララ:「それは私のお人形。早く返してちょうだいな。」
クララのか細い願い届かず 兵隊落下 片腕欠落
クララは嘆き 髪留を解き 友達の腕を元に通し
大切に大切に 抱きました。
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