12月11日(月) 菜月

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12月11日(月) 菜月

ピコーン。LINEの音で目が覚める。 (まだ眠い…こんなことなら昨日は早く寝ればよかった…。) そんなことを考えながら時計を見る。 「ゲッ、もう8時過ぎてる!」 飛び起き、あわただしく着替える。カバンをつかみ、家を飛び出して自転車にまたがり、かっ飛ばした。家から高校までは自転車で30分近くかかる。いつも朝はぎりぎりで自転車でかっ飛ばしてるからもっと早いけど、お母さんにはそんなにスピード出したら危ないってよく怒られる。そんなこと言われても間に合わないんだから仕方がない。いつものように高校の近くにある急な坂道を全速力で下っていた時、前方左手の小道からトラックの頭が見えた。 「危ない!」 全力でブレーキを引く。 「キキィー!ガッシャン。」 あまりに強くブレーキを引いたものだから前につんのめって倒れた。体に衝撃が走る。目を開けると車ギリギリのところに倒れていた。 「大丈夫か!」 私に気が付いたトラック運転手のおじさんが声をかけてくる。でも私は遅刻ギリギリなのだ。大丈夫とかじゃない、行かないと。自転車を起こし、またがるとおじさんに頭を下げて再び走り出した。   チャイムの鳴り終わりとともに教室に入る。よかったセーフだ。担任の高橋先生には受験生にもなってまだ5分前行動が身についてないなんてと睨まれたけれど…。 「なっちゃんまたギリギリー。」 親友の有紗が後ろの席からつついてくる。 「今日の小テストの勉強した?」 「小テスト?」 「え、なっちゃんLINE見てないの?朝、小テストだよって言ったじゃん。」 「えー!?」 高橋先生ににらまれ、慌てて口を押える。 「もー、大きい声出さないでよ。1限英語の小テストだよ。」 (1限、もう間に合わない…。) 結局、小テストは散々だった。親からはお金がないから私立の大学へは厳しいって言われているのに…。私、大学生になれるのかな…。
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