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12月25日(月) 菜月母
今日はすごく不思議な日だった。まず、朝起きると雪が降っていた。健太くんは毎年自分の誕生日に雪が降るのを楽しみにしているらしく、クリスマスの度に菜月は
「今年も雪降らなかったね。」
と残念そうにしていた。それが今年は降った。さらに、20 cmは積もっていたのだから驚きだ。健太くんは喜んでいるだろうか。菜月に雪を見せてやりたかった。
そしてお昼ごろポストを見るとはがきが届いていた。菜月から…。「Merry Christmas !」と書いてあったから郵便局員が気を利かせて今日まで保管しておいてくれたのだろうか。さらに驚いたのは菜月の部屋から日記が見つかったことだ。今日菜月の部屋に行くと机の横にノートが落ちていた。何となく中を見るとお友達との思い出や感謝の気持ちが綴ってあった。日記を公開するのは少しためらわれたが明るい思い出や感謝の言葉ばかりだったからお友達にも見てもらうことにした。有紗ちゃんも健太くんも本当に喜んでくれてよかった。それに私は健太くんと一緒にやってきた達也くんからいい話を聞けた。死者は死後この世に留まる期間があるらしい。そしてそれが終わると天に上り私たちを見守ってくれるという。だから、私は菜月が近くにいる気がしたのだろうか。私は菜月に見られても恥ずかしくないようにしなければならない。菜月は私の笑顔や私の料理が好きだとメッセージカードで褒めてくれたのだから。しっかり笑顔で毎日一人でも菜月がいたときのようにおいしいご飯を作り続けたいと思う。
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