12月13日(水) 菜月

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12月13日(水) 菜月

「おっはよー。」 教室に入り、有紗に声をかける。私にしてはめずらしく8時20分についた。 「えっ!なっちゃん!早っ!どうしたの?今日嵐でもくるとか?」 「失礼な!なんか昨日から寝起きがいいのよねー、全然疲れてない、力がみなぎってる感じ?」 「確かに、昨日もいつもほどギリギリじゃなかったね。授業中も寝てなかったし。なっちゃんらしくなーい。まあ、相変わらず忘れ物は多いけど。」 「失礼な!」 授業が始まる。いつもならすぐ眠くなって寝てしまって先生に指されるのに昨日からは調子がいい。起きてられる。まあ、みんなからしたらそれが当たり前なんだろうけれど…。 6限目の数学が終わり長かった一日が終わった。 「有紗、いこう」 「お、なっちゃん、今日はめずらしくやる気だね。いつもは私が声かけてもいやいやなのに。」 「本当にどうしちゃったんだろ、わたし。急に元気。今ならたくさん勉強できそう。」 「よし、じゃあやりますか。健太くんと同じ大学行くんだもんね。」 「もう、有紗、声が大きい!」 二人でわいわい言いながら、いつも行くファミレスへ向かった。 席に着くととりあえずドリンクバーを注文した。 ここのファミレスは二人の家から近い。しかもいつもそこまで混んでいないため、長居できる。勉強にはうってつけの場所だ。とりあえず、苦手な数学から取り掛かることにした。 私は文系だ。健太は理系クラス。なので同じ大学と言っても学部は変わることになる。そうはいってもキャンパスは一つしかないため一緒だ。何より同じ大学というのがわくわくする。物心ついた時から一緒だったからこんな感情になるなんて思いもよらなかった。健太を好きになったのはいつからだったのだろう…。  いつになくやる気になっているのはいいがやはり難しいものは難しい。手が止まってしまった。 「有紗―。教えてー。」 頭のいい有紗に助けを求める。 「この問題?これはね―」 てきぱきと説明してくれる有紗。本当にわかりやすい。 「有紗、本当に天才!先生よりわかりやすいよ!」 「そんなことないって。」 「有紗、先生向いてそうだよね。でも、看護師志望なのか。有紗ならなれそう。安心して病院いける。」 「そんなことないよ。看護師も覚えること多いし大変だもん。なっちゃんは将来どうするの?」 「全然決めてないな。ほんと私何がしたいんだろう。」 健太は研究者になりたいらしい。さすが健太だ。研究している姿が目に浮かぶ。よーし、私も頑張らなくちゃ。その後何度もわからないところを有紗に聞きながら勉強をした。ここに来たときは16時だったのにいつの間にかもう19時だった。私にしては集中でき過ぎてる。いつもなら1時間もしないうちに眠くなってお昼寝し始めてしまうのに…。 「お腹すいたしご飯食べよ。」 有紗に声をかけてご飯を食べ、その後21時まで勉強した。
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