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12月17日(日) 菜月
ここ最近本当に調子がいい。朝遅刻ギリギリになったことはもう1週間くらい無いし、ずっと授業中や勉強中眠くなってもいない。おかげで勉強がとてもはかどっている。今日の模試もいつもよりもできそうな気がする。
「おはよう。」
教室に入って有紗に声をかける。
「おはよう、なっちゃん。」
「もう、日曜に模試とかやめてほしいよね。休みたかったなあ。」
「まあ、しょうがないよね。受験生に休みはないって言うし。」
「もう、有紗は真面目だな。」
午前の科目が終わり有紗とランチにする。
「ねえ、なっちゃん、今年は健太くんへのプレゼントどうするの?」
「ああ、誕生日プレゼント?」
「そうそう。」
「今年もスーパーで売ってるお菓子の詰め合わせかな。」
「えーまた!?毎年それだよね」
「しょうがないよ。健太の誕生日、クリスマスと被ってるし、それが一番渡しやすいんだもん。小学生の頃からお菓子だったからさ、今更他の物渡しにくくて。さすがに、昔と比べたら少しはグレード上げているけどね。」
「健太くんにはいつ告るの?卒業式?」
「かなあ。でも、志望校の合格発表そのあとだから告白が成功しても私が落ちてたらなあ。やっぱり、結果がでてからかなあ。」
「なるほどね。その前に何となく好きっていうのは匂わせておかなくていいの?」
「いや、無理無理!健太に私が健太のこと好きって気づかれたら恥ずかしすぎて普通に会話できなくなりそうだもん。」
「でも、健太くんもいきなり幼馴染に告白されたらびっくりしないかな。あれ?っていうのがあった方が受け入れやすそうじゃない?恋愛慣れてなさそうだし。そもそも疎くて気が付かないかも?」
「確かに健太は恋愛慣れしてないかもだけど、私は合格発表までおとなしくいつも通りにしてるもん!」
「そっかあ。健太くん、いつも誕生日とクリスマス一緒にされてかわいそうっていってたから、ちゃんと祝ってあげたらいいなって思ったのに」
「無理無理!」
そうこうしているうちにチャイムが鳴る。
「ヤバイ!次の準備しないとだ。」
午後の科目も終わった。今日有紗は早く家に帰らなくてはいけないというので一人でデパートに行くことにした。もうクリスマスを一週間後に控えているためデパートはどこのお店もクリスマス一色だ。ケーキ屋さんのショーケースの隣にはクリスマスケーキのカタログが置かれている。とってもおいしそうだ。健太の家と合同でクリスマスパーティーをしていたのはいつまでだったのだろう。小学校の高学年くらいから友達とのクリスマスパーティーに行くようになった気がする。健太の家でのパーティーはもちろん楽しかった。健太とは小さいころから遊んでるからお互い通じ合える気がしていたし、何より恭子おばさんはとっても料理が上手だ。手作りのピザやケーキで毎年お祝いしていた。健太は誕生日プレゼントもパーティーもクリスマスと一緒にされてしまうから不満だったみたいだけれど。有紗が言うみたいに今年は少しいいものあげようか。お菓子はクリスマスプレゼントとして買って別に誕生日プレゼントも用意しようか。でも、さすがに恥ずかしくて渡せない。今日はとりあえず、健太が好きなお菓子が一番たくさん入っているクリスマス仕様の詰め合わせを買って帰ることにした。
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