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そこへやっと、カナから触れてみる。そして母がやはり苦笑いをこぼした。
「県会議員のお嬢様よ。二十七歳だったかしらね」
カナより若かった。そんな、義兄さんと親子ほど歳が離れていてびっくりする。
「お兄様が二人いらっしゃって、こちらはもう元々の一族の会社をそれぞれ引き継がれて経営しているの。末のお嬢様は遅くに生まれた女の子らしくて、とっても可愛がられて育ってきたみたいで、生粋のお嬢様よ」
それはそれは……と、カナはたじろいだ。自分と比べて……ではなくて、義兄の行く末を案じた。そんな婿殿として倉重にいるだけで、それなりに立場が弱いところにいるのに。
これまたお嬢様の婿殿になったら、頭が高そうなお義父様に口うるさそうなお義兄様達を相手にするようになったら、もっと大変ではないかと思った。
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