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レオンハルトと何か話をしたような気はするけど、何を話したかは覚えていない。
(何かまずいこと口走ってないよね?)
心の中に溜まった不満やら怒りやら。
レオンハルトにぶつけたくてもぶつけられない思いを吐き出したりしてないといいけど。
「ん・・・朝・・・?」
レオンハルトがもぞもぞと動く。
目を開けたレオンハルトがじっと見ている。
いや、どうやら目の焦点はあってないみたい。
「・・・アナスタシア?」
「はい・・・おはようございます」
「ん、おはよ―」
そう言って再び目を閉じてしまう。
動いたおかげで自由になったアナスタシアは今のうちに着替えとか支度をしようとベッドを抜け出そうとした。
「どこ行くの?」
「え?ひゃあ」
肩をつかまれベッドに引き戻される。
再びレオンハルトに背中から抱き込まれてしまい身動きができなくなった。
先に支度をすませようと思っていたのだが、どうやらレオンハルトを起こす必要があるようだ。
「レ、レオンハルト様っ!朝です、起きてください」
「ん―――・・・」
ダメだ。
全く起きる気配がない。
早々に諦めて大人しくレオンハルトの腕の中に収まる。
(すごい豪華な部屋・・・)
改めて朝日の中で見てみると、内装の豪華さに目がくらむ。
家具はもちろん小間物類もひとつひとつが国内外の高級品で揃えられている。
それに女性物が揃っている。
もしかしてこの部屋は。
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