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「ごめんなさい」
「別に怒ってないよ」
「でも」
肩肘をついて上半身を起こすレオンハルト。
フッと影が落ちる。
指先で優しく髪をよけ、アナスタシアの顔を覗きこむ。
「・・・妬いてくれたんだよね?」
改めて言葉にされると恥ずかしい。
「だってレオンハルト様には、私の他にもお付き合いする女性の一人や二人」
「そんな女性いないよ」
「皇女殿下とか良家のご令嬢とか、異国のお姫様だとか・・・そういう人たちが」
「いない」
背中から覆い被さったレオンハルトが頬や耳を甘噛みする。
「アナスタシア以外なんていない」
「で、でもレオンハルト様の立場的に婚約者とか・・・ぅん」
顎を掴まれ無理やり上向かせられ、言葉を奪うように少し強引に唇が重なる。
「少しお仕置きが必要かな?」
「お仕置きって!?」
「そ、お仕置き。覚悟してね」
背中からジィーと音がする。
何の音かと思っていると背中に解放感を感じた。
ん?
と自分の体を見る。
(わー!お仕置きってそっちなの?)
レオンハルトが嬉々として背中のファスナーをおろしている。
ワンピースが肩から滑り落ちそうになり慌てて押さえる。
「きゃぁ!?」
背中がビクリと震える。
レオンハルトの唇が背骨を這うように滑り落ちた。
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