episode6 クルド公爵

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「ごめんなさい」 「別に怒ってないよ」 「でも」 肩肘をついて上半身を起こすレオンハルト。 フッと影が落ちる。 指先で優しく髪をよけ、アナスタシアの顔を覗きこむ。 「・・・妬いてくれたんだよね?」 改めて言葉にされると恥ずかしい。 「だってレオンハルト様には、私の他にもお付き合いする女性の一人や二人」 「そんな女性(ひと)いないよ」 「皇女殿下とか良家のご令嬢とか、異国のお姫様だとか・・・そういう人たちが」 「いない」 背中から覆い被さったレオンハルトが頬や耳を甘噛みする。 「アナスタシア以外なんていない」 「で、でもレオンハルト様の立場的に婚約者とか・・・ぅん」 顎を掴まれ無理やり上向かせられ、言葉を奪うように少し強引に唇が重なる。 「少しお仕置きが必要かな?」 「お仕置きって!?」 「そ、お仕置き。覚悟してね」 背中からジィーと音がする。 何の音かと思っていると背中に解放感を感じた。 ん? と自分の体を見る。 (わー!お仕置きってそっちなの?) レオンハルトが嬉々として背中のファスナーをおろしている。 ワンピースが肩から滑り落ちそうになり慌てて押さえる。 「きゃぁ!?」 背中がビクリと震える。 レオンハルトの唇が背骨を這うように滑り落ちた。
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