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「きっとお似合いですよ」
「そう?私、こんな綺麗なドレス着たことないから分からないわ」
「アナスタシア様のためにしつらえたドレスですもの絶対にお似合いです」
今朝、届いた特注のドレス。
アナスタシアへの贈り物だと言っていた。
「アナスタシア様、着てみてくださいよ」
サーラが純粋な目で見てくる。
自分のドレスとはいえ、レオンハルトから贈られたものを彼がいないところで勝手に身につけるのも気がひける。
「でもこれってウェディングドレスみたい・・・ですよね?」
リュイの言葉に二人がつぶらな瞳をキラキラさせてアナスタシアを見る。
「やっぱそうなんですか!?」
「そうなんですか?アナスタシア様」
そんな純粋な目で見られても。
「やっぱ・・・って何が?」
小首をかしげる。
「またまた、とぼけないでくださいよ」
「そうそう、お二人は結婚するってことでしょ?」
フィナとサーラが二人仲良くじゃれながらはしゃいでいる。
サーラの発した爆弾発言にアナスタシアは困って苦笑いする。
「そのドレスは今度の夜会に着ていくために作ったものだから。そうとは限らないわ」
「え~?そうに決まってますよ~」
フィナは当然というように言った。
「だって三階にお部屋あるし」
「毎日、ずぅーっとお二人は一緒だし」
「そーそー、レオンハルト様はそのつもりだよね」
そんなことないと思うけど。
フィナとサーラが楽しそうにおしゃべりしているのを見て他人事のように思えて仕方ない。
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