とある老人の手記

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とある老人の手記

 この手記を読んでいるアナタへ  告白します。  私は月の人間に恋をしました。  美しい彼は私に「守ってください」と手にすがり付いてきました。  私は、彼を守りたい一心で  多くの無関係の人を殺し  世間を怖がらせ  しまいには友人まで手にかけました。  決して許されることのないこの所業。  許してくれとは言いません。  ただ、こんなに罪深い人間がいたことを。  「カグヤ」という月の人間が地球にいたことを。  覚えていてください。  それが私の望みです。 2095年11月13日 増見(ますみ) 光成(こうな)
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