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上手に焼き上がったクッキーを持っていつも通り屋敷に向かう。
今日は体調も良くなっていたらしく、柵のところまで来た私に、侑さんが手を振っていた。
「里恵ちゃん、昨日は会えなくてごめんね。具合いが悪くて外に出られなかったんだ。ずっと…待ってた?」
「一誠さんが教えてくれたので、大丈夫でしたよ!」
私が笑うと、侑さんは首を傾げた。
「いっせい…?って…誰?」
「え…?」
侑さんによると、この屋敷には小さな頃から自分以外の人間は住んでいないと言うのだ。
でも、確かに私は昨日一誠と名乗る男性と話している。
「もしかして…花盗人かなぁ」
侑さんが、あまり聞きなれない言葉を口にした。
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