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私が中に入ってドアを閉めると、後ろから声をかけられた。
「あらあら、かわいいお嬢ちゃんだねぇ」振り向くと、ベッドで横になっているおばあさんがいた。
「こんにちは、今かくれんぼしてるんです。ここで隠れてもいいですか?」私はおばあさんに聞いてみた。
「いいよいいよ、どこに隠れる?おばちゃんのかけ布団を使うといいよ」そう言って、おばあさんは私にかけ布団をくれた。
私はかけ布団をかぶり、部屋の隅にうずくまった。
「ふふっ、ここなら見つからないでしょ」何だか懐かしい、かくれんぼをしたのはいつぶりだろう。
それにしても、私は何で病院にいるんだろ。どこか悪いのかな?
そんなことを考えていると、急に布団を剥がされ、『みーつけたっ!』と声がした。振り返ると、布団の上にひょこっと立つひょこがいた。
「どうしてわかったの?」
『僕は探すの得意なんだよ!』また得意気にえっへんと言った。
『さ.....とく.....せるかな』
「あっ!」
『どうしたの?みこちゃん!』ひょこの声で我にかえる。今一瞬思い出したような気がする。何かを思い出した。
あれはなに?
私が病院にいるのと関係があるの?
『みこちゃん!次は僕が隠れるのね』ひょこは考えている私をよそに、病室を出ていってしまった。
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