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1日目
「ロフィー、人間界の様子をこれへ」
「ははっ」
魔王の腹心の部下・ロフィーがいつものように大きな鏡を差し出した。
鏡には人間界の様子が映し出されている。
本日映った光景は、ある地域で人間たちが未知のウイルスに悩まされている姿だった。
「クックック、人間というものは何とも脆弱な…
この地に更に悪性のウイルスをばら撒けばたちどころにこの者たちは死滅するであろうな」
「左様に御座います」
「ならば答えは一つだな」
――我の力にひれ伏せ人間ども!!
魔王の手が悪の光に覆われ、光は鏡へと解き放たれた。
✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼
その頃、人間界では…
「何だ、体が楽になったぞ??」
「俺もだ」
「先生!危篤の患者さんが自発呼吸を始めました!!」
病に悩まされていた者たちが次々に快方に向かっていく。
研究者の話によると、人間たちを悩ませていたウイルスを殺す新種のウイルスがどこからか舞い込み、病の元は死滅したらしい。
「神の到来か!??」
この地の人間たちは、得体の知れぬこの出来事に感謝したらしい。
……無論、魔王は事の顛末を知らない。
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