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3日目
「ロフィー、人間界の様子をこれへ」
「ははっ」
本日映った光景は、ある地域で人間たちが極寒に悩まされている姿だった。
老人から子供まで寒さに凍え、暖炉に使う薪も取りに行けない次第だ。
「クックック、人間というものは何とも不便な…気候一つに命まで左右されるのか
地球全体の気温を下げよう、さすればたちどころに人間どもは死滅するであろうな」
「左様に御座います」
「ならば答えは一つだな」
――我の力にひれ伏せ人間ども!!
魔王の手が悪の光に覆われ、光は鏡へと解き放たれた。
✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼
その頃、人間界では……
「おい!どういうことだ?」
「地球の平均気温が下がっている…だと?」
「生態系のバランスが元に戻りつつある」
「海面も下降している」
温暖化対策チーム一同がざわつく。
「待て、気温が下がっているということは…寒帯の生活が急激に脅かされているのでは…」
「そうだな、至急応援を…!」
かくして、寒帯に住む者たちは各国の支援により救助され、
地球の温暖化まで緩和する結果となった。
……無論、魔王は事の顛末を知らない。
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