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6日目
「ロフィー、人間界の様子をこれへ」
「ははっ」
本日映った光景は、ある地域で激しい戦争をしているというものだった。
いわゆる内部紛争。国のトップに不満を持つ者がクーデターを起こそうとしているのが原因だ。
「クックック、人間というものは何とも愚かな…同じ種族同士が諍いを起こすとは何とも呆れたものよ。
しかしこの国の王も中々の悪党のようだ。面白い、国王軍に加勢してやろう。
反乱軍のブレーンに下剤でも混ぜてしばらく寝込ませてやれば戦況は傾き、いずれ反乱軍は白旗を挙げ、
国民は再び暴君の者の元で奴隷のような生活を強いられるであろう。」
「左様に御座います」
「ならば答えは一つだな」
――我の力にひれ伏せ人間ども!!
魔王の手が悪の光に覆われ、光は鏡へと解き放たれた。
✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼•┈┈┈┈•✼
その頃、人間界では……
「ぐはぁっ!」
「軍師よ、どうした?腹痛か?」
「リーダーすみません、ちょ、ちょっとトイレ……ぐおおお……」
「ん、何か書類を落としていったぞ?
これは!!!なぜ軍師が機密事項を……しかもこれは国王軍への密書じゃないか!」
反乱軍のブレーンは国王軍のスパイであった。
その事実が発覚した反乱軍の戦況は一気に攻勢に傾き、国王軍を破った。
かくして、反乱軍のリーダーが新たなる国王となり、国民の平和な生活が保障されることとなった。
……無論、魔王は事の顛末を知らない。
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