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口には出さないけど、ゆずは姫乃と一緒に卒業したかったから、妹として初めて出来たお友達として、恥ずかしくて姫乃には言えないけれど、ゆずは姫乃をお友達だと思っているのだ。
本人に言ってしまえば、姫乃が調子になるだろうと思い言ってないけど。
「お姉ちゃん、テストの範囲のプリントって貰ったっけ?」
折角姫乃がやる気を出したと思ったのもつかの間で、初っ端から躓いてしまう。
「姫乃、まさかテスト範囲のプリント無くしたの?」
「うん。ちゃんとしまっておいたんだけどなくて……」
どこまでも、手の掛かる妹なんだろうと思いながら、ゆずは姫乃にテスト範囲のプリントを渡す。
「お姉ちゃんありがとう」
「私は、範囲わかってるから、それは姫乃が持ってなさい」
姫乃は、ありがとうと言うと机に向かってテスト範囲と睨めっこしながら、うんうんと唸りだす。
この娘どうやって、入学したんだろうとゆずは思ってしまう。
姫乃とゆずの学校は、一応は進学校なのでそれなりにレベルは高いので、ハッキリ言って姫乃の学力では、入学出来た事が奇跡と言っても過言ではない。
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