28人が本棚に入れています
本棚に追加
姫乃は、その言葉で自分が今の高校しか受験していない事を、もし不合格ならその時に考えればいいやと思っていたなんて、言えなくなってしまう。
ゆずと違い、姫乃の家庭は裕福な部類に入るので、今まで母子家庭で苦労して来たゆずにとてもじゃないけれど、女の子だけの高校が良いなんて理由で、無理して受験したなんて言えなかった。
「それで、姫乃は他にも受験したの?」
「してないです」
「もし不合格だったらどうしてたの?」
繰り上げでも合格したからいいものの、もし不合格ならどうしていたと聞かれてしまい姫乃は、どう答えようかと悩んでしまう。
「あの、その」
「その様子だと考えていなかったのね」
これまたあっさりと見抜かれてしまう。
お姉ちゃんに怒られてしまうと、姫乃は思ったのにゆずは、溜息を吐くと姫乃を諭す様に話し始める。
「姫乃の人生だから、とやかく言うつもりはないけど」
世の中には、高校に行きたくても行けない学生さんも沢山いるのよ。高校に通える事が、当たり前だなんて思ったら駄目なんだよと、お姉ちゃんらしく姫乃を諭す。
「パパがガッカリするとか考えなかったの?」
最初のコメントを投稿しよう!