姫乃はゆずとお風呂に入りたい!

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 姫乃は、その言葉で自分が今の高校しか受験していない事を、もし不合格ならその時に考えればいいやと思っていたなんて、言えなくなってしまう。  ゆずと違い、姫乃の家庭は裕福な部類に入るので、今まで母子家庭で苦労して来たゆずにとてもじゃないけれど、女の子だけの高校が良いなんて理由で、無理して受験したなんて言えなかった。  「それで、姫乃は他にも受験したの?」  「してないです」  「もし不合格だったらどうしてたの?」  繰り上げでも合格したからいいものの、もし不合格ならどうしていたと聞かれてしまい姫乃は、どう答えようかと悩んでしまう。  「あの、その」  「その様子だと考えていなかったのね」  これまたあっさりと見抜かれてしまう。  お姉ちゃんに怒られてしまうと、姫乃は思ったのにゆずは、溜息を吐くと姫乃を諭す様に話し始める。  「姫乃の人生だから、とやかく言うつもりはないけど」  世の中には、高校に行きたくても行けない学生さんも沢山いるのよ。高校に通える事が、当たり前だなんて思ったら駄目なんだよと、お姉ちゃんらしく姫乃を諭す。  「パパがガッカリするとか考えなかったの?」
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