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「いくら考えてもわからないんでしょ? なら基本位は教えてあげてもいいと思ってね」
ゆずは、照れ隠しをする様に、姫乃が赤点取ったら恥ずかしいの姉である私なんだからと言いながらも、姫乃に今日は何処がわからないの? と聞いてくる。
「今日は、数学やってるんだけど」
「どれどれ」
不意にゆずの顔が、自分にぴったりとくっつく位に近づいて、姫乃はドキッとしてしまう。
(お姉ちゃんの顔が……)
ゆずの綺麗な顔が、すぐ真横にあると思うとどうしても、ゆずとのキスを思い出してしまいドキドキしてしまう。
「これなら、さっき渡した基本ノートに書いてあるから、それ見ながらやってみなさい」
「……」
「姫乃?姫乃聞いてるの」
「……」
どうしてこんなにドキドキするんだろうと姫乃は、自分の心臓の音がゆずに聞こえてしまうのではと思うけれど、胸の鼓動は早くなる一方である。
「姫乃?姫乃どうしたの?」
軽く頬を染めて、自分を見つめている姫乃を見て、もしかして熱でもあるんじゃないかと、昨日遅くまで頑張って勉強していたのを知っているので、そのせいで熱を出したのではと思い、ゆずは姫乃のおでこに手を添えてみる。
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