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「少し熱いけど、姫乃熱計ってみなさい」
「……」
やっぱり反応がない。
本当にどうしたの? と思っていると姫乃の顔が近づいて来る。
「姫乃!急にどうしたの?」
「お姉ちゃん……」
トロンとした瞳で、顔を近づけてくる姫乃から逃れようとして、ゆずは自分の椅子に躓いてベッドに倒れてしまう。
「お姉ちゃん……」
「姫乃!姫乃!本当にどうしたの」
普段から変な女の子とは思っていたけど、今日の姫乃はどこかおかしい。
「お姉ちゃん、姫乃お姉ちゃんと」
そう言ったかと思うと、姫乃はそのままゆずの隣りに倒れてしまった。
「姫乃!」
真っ赤な顔をして倒れてしまった姫乃を見て、ゆずは姫乃のおでこに再度触れてみると先程より熱い。
「初日から無理するからよ」
そう悪態をつきながらも、体温計を持ってきて熱を計ると38.5℃もある。
熱のせいでおかしくなっただけだよねと思いながら、姫乃を自分のベッドに寝かせると姫乃が起きたら飲ませようと思い薬を取りに行く。
姫乃の様子を見ながら、テスト勉強をするけれど、姫乃の言葉と姫乃の容体が気になって勉強に集中する事が出来ない。
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