百合色の風が吹く時～お堅い委員長が義姉になりました。泣きたいです～

変わり行く心

　それで、その結果でゆずが喜んでくれるかはわからないけれど、折角ゆずが計画表を作ってくれて、自分の為に全教科の基本ノートまで作ってくれたのだから、せめて赤点だけは回避したい。
　赤点を回避して、ゆずに頑張ったねと褒めてもらいたいと姫乃は、ひとまずゆずへの自分の気持ちの事は横に置いといて、テスト勉強に集中する。

ゆずは、全教科平均的以上は厳しかったかなと考えていた。
　進学校であるゆずと姫乃の高校は、平均的はかなり高い。
　赤点は、30点だが平均的は全教科70点位とかなりハイレベルである。
　前回のテストでほぼ赤点ギリギリだった姫乃に平均的以上は、空を飛べと言うのと同じ位に難題である。
　ゆずは、姫乃に内緒で姫乃が赤点を一つも取らなかったら、姫乃の願いを叶えてあげようと考えていた。
　ただそれを姫乃に言ってしまえば、折角姫乃がやる気を出して頑張っているのに水を差してしまう事になるので、姫乃にはテストが終わって、テストが返って来てから伝えようと思いながら、横目で姫乃を見ていた。
　私も甘くなったわねと思いながら、ゆずも昨日の姫乃の行動の意味を考えていた。