変わり行く心

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 姫乃の言葉は本心だと思い、ゆずは喜びと戸惑いの相反する気持ちに、どう答えていいかわからなくなる。 「姫乃の我が儘だってわかってるけど、姫乃お姉ちゃんと一緒にいたいの」 「ちゃんと考えてあげるから、今は目の前のテスト勉強を頑張ろうね」 「うん」   ゆずに拒否されなかった事が嬉しかった。少し前のゆずなら間違いなく拒否していただろう。  そんなゆずの優しさに感謝しながら、姫乃はわからない箇所をゆずに教えてもらい、テスト勉強に励んでいた。   姫乃に勉強を教えながら、自分はどうすればいいのだろうとゆずは悩んでいた。  母親が再婚していなければ、間違いなく高校を卒業したら家を出て独り立ちしていたと思う。  でも姫乃の言う通りで、母親は姫乃の父親と再婚して、今は専業主婦をして幸せな毎日を送っている。  だから焦って自分が独り立ちする理由は無いのだが、それを目標に頑張って来たので、もし独り立ちを延期するとしたら、自分は何を目標に頑張って行けばいいのだろう? 進学するか就職するか、はっきり決めていなかったけど、まだ高校に入学して数ヶ月なので状況を見て決めようと思っていた。
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