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姫乃の人生で一番努力したのではないかと思う位に、姫乃はテスト勉強を頑張ってこなしていた。
テスト迄あと三日しかないけど、姫乃は何とかなるのではないかと感じていた。
今までの姫乃なら、赤点取ったら補習を受ければいいやと考えていたと思う。
でもゆずがお姉ちゃんになってからは、少しずつだが自分に対して劇甘だった性格が変わって来た様に感じる。
誰かの為に頑張ろうなんて、今までの人生で思った事は皆無だと言っても過言ではないと思う。
優しいパパのお陰で、何不自由なく暮らして来れた。
でもそれではいけないのだと、姫乃を窘めてくれた人がいた。その人の為にも、何とかして赤点だけは回避したかった。
その人とは勿論ゆずである。
姫乃自身、ゆずへの気持ちがお姉ちゃんに対してなのか、一人の女の子としてなのかはまだはっきりしないけど、ゆずの喜ぶ顔を見たいと心から思ったから、毎日徹夜して睡眠時間を削ってでもテスト勉強に励んでいたのだが、そんな姫乃にゆずは休みなさいと言ってきたのである。
「どうして?テスト迄あと三日しかないんだよ」
「だからよ」
ゆずの言葉の意味がわからない。
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