ゆずの事が知りたい

3/16
前へ
/330ページ
次へ
 テスト迄あと三日しかないのだから、普通なら追い込みを掛けなければいけない筈なのに、ゆずは休みなさいと言う。 「お姉ちゃんの言ってる意味がわからないんだけど」  ハア~と溜息を吐くと、ゆずはその理由を姫乃に話す。 「今のまま、テスト迄毎日徹夜してたら、姫乃の身体が保たないでしょ」  毎日二時間または一時間しか寝ないで、テスト勉強をしていたのを知っているので、ゆずの様に徹夜に慣れている人でも、そんな生活を何日も続けたら身体が保たない。  徹夜に慣れている人でも、辛いのに姫乃の様に毎日早く寝る生活をしていた人間には、とてもじゃないが最後迄もつはずがないとゆずが話す。 「でも、少しでも勉強しないと」 「それは、今までちゃんと勉強してこなかった姫乃が悪いんだよね」 「……うん」  ゆずに正論を言われてしまい、姫乃は何も言えなくなってしまう。 「それに、無理して本番の日に倒れたら元も子もないでしょ」  だから、今日はもう勉強は止めて寝なさいと言われてしまう。 「でも、姫乃頭悪いから、頑張らないと赤点取るかもしれないし」
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加