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「明日と明後日は学校休みなんだから、私も教えてあげるから、だから今日はもう寝なさい。わかった」
「お姉ちゃんの勉強の邪魔にならない?」
「大丈夫よ。私を誰だと思ってるの」
推薦で入学して、小テストや中間テストを含めて、学園独自の毎月あるテストでも学年トップから落ちた事のないゆずさんよと、ゆずが胸を張って言う。
「それに、姫乃が倒れたら、私が辛いのよ」
「えっ?お姉ちゃん、今何て言ったの?」
最後の方は、小声だった為に姫乃は聞き取れずにゆずに確認してしまう。
「な、何でもないわよ!取り敢えず、今日は一緒に寝てあげるから、勉強はお終いにしなさい」
「うん。わかった」
姫乃が素直に頷いてくれたので、ゆずはホッと胸を撫で下ろす。
姫乃に聞かれなくて良かったと思いながら、自分の言葉を反芻する。
姫乃が倒れたら自分が辛いと言う気持ちは本音だった。
姫乃が、自分の為に頑張っているのがわかっていたから、自分が勉強を教えてあげてるから絶対に赤点は取れないと、躍起になっているのがわかるから。
でも例え赤点を回避しても、それで姫乃が倒れたら、そっちの方が辛い。
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