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「ううん。まだ寝てなかったから」
「なら、いいんだけど」
「お姉ちゃん、寝れないの?」
「うん」
姫乃は、自分も中々寝れなくてと言うとゆずにゆずの子供時代の事を聞いてきた。
「私の子供時代?」
「うん。姫乃と出逢う前のお姉ちゃんの事が知りたくて」
別に面白くも何ともないわよと、ゆずは自分の子供時代の事を話そうとしない。
「姫乃が、姫乃の子供時代の事を教えてくれるなら話してもいいわよ」
「姫乃の子供時代?」
自分の子供時代の事を話せば、ゆずも話してくれる。
(お姉ちゃんって、自分の事殆ど話さないから、これはいいチャンスだよね)
姉妹になる前は、ゆずとは殆ど話しをした事はなかったし、姉妹になってからもゆずは基本自分の事を話さないので、ゆずの事で知っている事と言えば、ゆずが母子家庭だった事と母親に迷惑を掛ける事を、とても嫌う事だけである。
「姫乃の事話したら、お姉ちゃんもお話ししてくれるんだよね?」
自分の事だけ話して、結局ゆずの事を教えて貰えないのは、姫乃としては不本意なので確認してしまう。
「勿論、姫乃が話してくれたら話すわよ」
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