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「姫乃ちゃんは、どうしてお友達と遊ばないの?」
幼稚園の先生からの連絡で、姫乃の母親は姫乃が毎日一人お人形と遊んでいる事を知り姫乃に優しく聞いてきた。
「だって、ママがいないから」
まだ幼稚園の年齢なので、親離れ出来ていないのは当たり前だが、母親としては姫乃がこれからも一人お人形で遊ぶのではと心配になってしまう。
「ママの事が好きなのは、ママも嬉しいけど、ママとしては姫乃ちゃんがお友達と遊んでくれたら嬉しいな」
朗らかな、夏の太陽の様な明るく優しい微笑みで話す。
姫乃の記憶の中の母親は、いつも優しい笑顔だった。
「姫乃が、お友達と遊んだらママ嬉しい?」
「嬉しいよ。姫乃が、お友達と遊んでるお写真をママ見たいな」
「姫乃、明日からお友達と遊ぶ!」
「なら、お人形さんは置いて行こうね」
「うん!」
姫乃は、今と変わらず素直と言うか、単純な性格だったのと、本当にママの事が大好きだったので、ママが喜んでくれる事は何でもしたかった。
「姫乃って、幼稚園の頃から単純だったのね。でも、姫乃らしいわね」
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