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「熱、あるんじゃない?」
「……そうかも」
私が触った頬を人差し指でかきながらつぶやく。
「えー、休んどいたほうがいいよ」
「……大丈夫」
ひょいと左手の甲を啓太の額に当ててみる。
温かさを通り越した日常では感じない熱さ。
「全然大丈夫じゃないよ。横になってよ」
「でも……」
「だめだって。ほら」
しぶる啓太をベッドに押しやり座らせる。
「お酒はさ、また飲めばいいから」
「ほんとごめん」
「ううん」
お酒を二人で飲めないのはちょっと残念だけど、風邪を引いてしまったのは仕方がない。
悪化させないようにしないと。
「食欲はあるの?」
「栄養ドリンク飲んだだけで何も食べてないから、あることはあるかも」
私も夜に飲むのを楽しみにしていたので、今日一日何も食べてなかった。
「じゃあ、何かつくろうかな」
「え、いいよ」
手を横に振る啓太。
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