延長した、今夜。

14/18
前へ
/18ページ
次へ
「熱、あるんじゃない?」 「……そうかも」 私が触った頬を人差し指でかきながらつぶやく。 「えー、休んどいたほうがいいよ」 「……大丈夫」 ひょいと左手の甲を啓太の額に当ててみる。 温かさを通り越した日常では感じない熱さ。 「全然大丈夫じゃないよ。横になってよ」 「でも……」 「だめだって。ほら」 しぶる啓太をベッドに押しやり座らせる。 「お酒はさ、また飲めばいいから」 「ほんとごめん」 「ううん」 お酒を二人で飲めないのはちょっと残念だけど、風邪を引いてしまったのは仕方がない。 悪化させないようにしないと。 「食欲はあるの?」 「栄養ドリンク飲んだだけで何も食べてないから、あることはあるかも」 私も夜に飲むのを楽しみにしていたので、今日一日何も食べてなかった。 「じゃあ、何かつくろうかな」 「え、いいよ」 手を横に振る啓太。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加