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はじめてのアルバイト。
太郎は一生懸命働いた。
ホールの仕事。
メニューを聞いてそれを萌の旦那である三太郎に伝える。
言葉遣いはさほど指摘されることはなかった。
メニューの間違いもなかった。
怒られることはない。
なので太郎は楽しく仕事ができた。
「今日はお疲れ様」
三太郎が太郎に労いの言葉を投げる。
「ありがとうございます」
「今日は疲れたんじゃない?」
萌がそういうと太郎がいった。
「楽しかったです」
「そう?ならよかった」
萌は小さく笑った。
「自由ちゃんもお疲れだったね」
太郎と同じ日にアルバイトとして採用された久留里自由が小さく笑う。
「はい!ありがとうございます」
「自由ちゃんももう高校生なんっすね」
三太郎がしみじみとした表情でそういった。
「知り合いだったのですか?」
「自由ちゃんのお父さんが僕たちの幼馴染なんっすよ」
「へぇー」
太郎はそっと自由の胸元を見る。
名札には久留里と書かれていた。
「あれ?久留里さんって……」
「そう私たちの担任の娘が私よ」
「へ?『私たちの担任』って?」
「え?私たちクラスメイトだよ?あれ?」
自由が首を傾げる。
「あ……そうだったんだ?」
「ははは、なんか青春っすね」
三太郎が小さく笑った。
「そうだね、青春マンガあるあるだね!」
萌も笑う。
「すみません」
太郎は小さな声で謝った。
「私、もっと存在感アピール頑張る!」
太郎はこういうときどんな顔をすればいいかわからなかった。
「もっと肩の力抜いて、笑ってこー」
萌はそういって太郎の方に微笑んだ。
「あ、はい」
「ニコリニコニコ」
自由が笑顔を作る。
太郎も小さく笑う。
「はい65点!100点目指そう!」
自由はそういってニッコリと笑う。
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