第2章 アーンヴァール

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 そうして、開けた場所に出た。  獣道ではなく、明らかに人が通るために開かれた土の道。  辺りを見渡す。  倒れこむ少女と、それを囲む男が3人いるのが見えた。  ナギトは瞬時に状況を判断する。 「……誰か! 誰か助けてっ!!」  その言葉で、ナギトの疑念は確信に変わった。  (丁度いい。彼女を助ければ、現地協力者として役に立ってくれそうだ)  ……そんな事を考えながら。 「おー、嬢ちゃん。そんな大きな声も出るんだなぁ。ま、誰も助けになんか来ねーがなァ!」 「そうだぜ、おとなしく黙ってろ!」  何はともあれ、助けなければならない。  ナギトは魔法を使う準備をした。  そう、水を自在に操って敵を倒すイメージを固めるための、準備だ。 「──黙るのはお前らの方だ。汚物ども」  質量を持ったの塊を射出する。  男たちは咄嗟のことで身動きが取れず、勢いのまま吹き飛ばされて木に激突した。  3人とも気絶した所で、少女は助けが来たことに安堵する。  少女は、見慣れない装束に身を包み、緑に光る宝石がはめ込まれた杖を抱えていた。  ナギトが元いた日本では見たことの無い格好だ。 「……えっと、あの。助けてくれて、ありがとうございます。仮面と……鎧のお方」 「鎧に仮面? いや、これは……だ」
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