積年の両片思いよ

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 その日は雨が降っていた。  いつものように「会いたい」と言われた夜のこと。  でもどことなく最近、何かが変わってきていたなと思っていたのは事実ではあった。どことなく、ぎこちなかった。仲が良いと思っていたのに。  それは。  私たちの関係は。  あまりにも危ういバランスの上に成り立っていたんだ。    私とあの人はインターネットのコミュニケーションサイトで知り合った。  同じものが好き、それがとっかかりで。話が合った。楽しかった。  共通の話題はどんどん増えて、ずっとずっと昔から一緒だったような、そんな錯覚さえ覚えるようになっていた。  そんなあの人と、いつもと同じ様に過ごす夜、のはずだった。  カラオケに行って、その後居酒屋でくっちゃべって。  いつものように、それじゃあまたねそのうちね、って。  言うことが出来るはずだったのに。
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