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「どういうことだ……ここは日本じゃない!?」
伊織は一歩二歩と路地裏から出ると、伊織の黒いスーツ姿を見た人々は口々に変な服だと話していた。道を歩く人々の中にスーツを着ている人はおらず、日本でいうところの着物やシャツにジーンズを着ている人が多かった。
「そんなに俺の服装がおかしいかな? 似ているようで似ていない世界なのか?」
伊織は人間とは違い特徴を持つ人々を見て、異世界に来たんだなと思った。それに眩い光に包まれた際に世界を救ってと言われたのを覚えていたので、なんでちっぽけな存在である俺が世界を救うなんてと両腕に拳を握り締めて苦虫を嚙み潰したような顔をしていた。
「どうして俺が世界を救うなんて大役を……俺がしなくても誰かがするし、この世界は平和みたいじゃないか」
左右にで店が出ている商店街と思える道を歩いて行く。両サイドにある店は、この国特有のお土産と思える人形やお菓子類を売っていた。また、服も売っており、賑やかだなと感じていた。
「一文無しでこれからどうしよう……」
どうしようか伊織は悩みながら歩き続けていると、薄いピンク色の髪色をしたフリルが付いたメイド服と思える服を着た自身より年下と思える女の子が一枚のビラを配っている姿を見つけた。
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