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その女の子はどうぞと笑顔で言いながら道行く人にビラを配っていた。伊織はその女の子を見てみると、目鼻立ちがしっかりしており服の上からでもわかるスタイルの良さやその括れた腰を見て美少女だと感じた。
「あ、こちらをどうぞ! ぜひもらってください!」
伊織はその女の子に突然話しかけられて、ビラを貰ってしまった。そのビラには総合喫茶と書かれていた。
「総合喫茶? なんだろう?」
そう呟いた伊織を見た薄いピンク色の髪をした女の子は、興味がありますかと伊織に話しかけた。
「え、いや……」
「興味がありますか!?」
「いや、俺は」
「こっちに来てください!」
伊織は押し切られてしまう形で、商店街の奥にある総合喫茶と書かれた店が見えた。その店は二階建てのコンクリート作りであった。
「コンクリートだ。 木造だけじゃないんだ」
伊織はやっぱり日本と近い文化レベルなのかと思いながら店の中に入った。すると、そこには様々なメイド服に身を包んでいる人たちがいた。
「一名様ご案なーい!」
薄いピンク色の髪の女の子がそう店に入りながら言うと、猫耳の可愛らしい顔をしている女の子がいらっしゃいませと落ち着くような声色で言う。
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃーい」
「ささ、こちらですよ!」
ウサギ耳やキツネ耳など様々な従業員の人たちが伊織に話しかけていた。伊織はここはどういう店なんだと思うも、とりあえず言われた席に座ることにした。
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