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伊織が席に座ると、薄いピンク色の髪をした女の子がメニュー表を渡した。そのメニューにはオムライスやカレーなど日本語で書かれていた。
「あ、日本語だ。 まさかこの世界で日本語を見るなんて思わなかったな」
伊織が日本語と言うと、薄いピンク色の髪をした女の子は不思議そうな顔をしていた。
「あなたもしかしてこの国の人じゃないの?」
「あ、そうだよ。 遠い場所から来たんだ」
「どの辺から来たの?」
「遠い東からだよ」
遠い東と聞いて、ピンク色の髪をした女の子はどこだろうと悩んでしまった。
「そんなことは今は良いわ! 何かご注文はありますか?」
伊織はそう言われると、お金がないことを思い出す。会社を出る時に持っていた鞄の中に財布が入っていたのだが、今はその鞄すらないのでどうしたものかと悩んでしまう。
「俺お金持ってないんだ。 ごめん!」
伊織がお金を持っていないと言うと、お金なしで入ってきたのとウサギ耳の女の子が伊織に詰め寄ってきた。
「い、いや俺は強引に入れられて!」
「問答無用よ!」
ウサギ耳の女の子が伊織の右腕を掴んで地面に組み伏せた。伊織は勢いよく地面に叩きつけられたので、肺から空気が出てしまう。
「かはっ!? い、いきなり何するの!」
「無銭飲食をする気だったんでしょ! この犯罪者!」
「お、俺は自分の意志で入ったわけじゃ!」
伊織は説明をするも言葉を一切聞いてもらえなかった。
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