談雑6:ペンネームの由来

1/1
前へ
/41ページ
次へ

談雑6:ペンネームの由来

「左くんのペンネーム“左 灯心(ひだり とうしん)”って変な名前だよね」 「え、そう? 私は気に入っているんですけどね」 「今日は、どうしてそんな素っ頓狂なペンネームにしたのかをお訊きできればと思います」 「『素っ頓狂』っていう評価なんですね、司さんは。間が抜けていると?」 「あれ? 素っ頓狂って、『間が抜けている』っていう意味なんですか?」 「そのはずです……知らないで使ったの?」 「じゃあ、ちょっと違うな……そうだ、『血迷った』に変更します。左くん、『血迷った』の意味は?」 「だから、知らないのなら使わなくても……えーと、確か、『理性を失う』という意味だったんじゃないかな?……べつに私、失ってませんけど」 「自覚が無いのは重症ですね。まあ、でも、わたし優しいから、もう少し軽めの表現にしておきますね。えーと……そうだ、『無頼漢』、なんてどうですか? うん、いいんじゃないの? 『無頼漢なペンネーム』……よし、これで行こう!」 「それって、日本語的にどうなんでしょうね……」 「おかしい? 『厚顔無恥』にしときましょうか?」 「もう、どうでもいいですよ」 「『傲岸不遜(ごうがんふそん)』っていうのもありますけど。あ、あと、『ドッチラケ』とか」 「思い付きを言いたいだけですよね?」 「heavy-moon」 「は?」 「重い月」 「……」 「さ、気を取り直していきましょう! 左くん、どうしたのぉ、疲れた顔しちゃって」 「だれかさんのせいですよ」 「あー、わたしのせいじゃなくて良かったぁ、うふっ♡」 「はいはい」 「左くんのこだわりのせいで、話がなかなか進みませんでした。読者の皆さん、ごめんなさい! では仕切り直します。  えー、今日は左くんが、どうしてそんな犬も食わないようなペンネームにしたのかをお訊きできればと思います」 「それはですね、私、ギブンネームが――」 「おいおい、突っ込まないと」 「え?」 「『「犬も食わないような」って、また表現変わっとるがな!』みたいな突っ込み、ここでぶち込んどかんと!」 「いや、それすると、全然進まないからスルーです」 「突っ込まないと、ないちゃうぞ。メエェェェェェって、ヤギかよ!」 「……気がすんだ?」 「……ふ……不完全……燃焼(涙)」 「そういう日も受け入れようね。司さん」 「……」 「えーと、どこまで話したかな? あ、そうそう、私のギブンネーム、『さとし』っていうんですけどね」 「あれ? それ言っちゃうの? 確か以前、左くんの本名を公表しようとしたら『絶対ダメ』って言ってたよね?」 「フルネームは明かしません。『さとし』もよくある名前だし、ひらがな表記なら問題ないと判断しました」 「へーそー。で?」 「その『さとし』を少しいじったんですね。さとし……さとぉし……さ とぉしん……さ とうしん……って感じにね。それを漢字に当ててみて『さ』は『左』、『とうしん』は『灯心』と、こうなったわけです。『左』は『ひだり』と読んだ方が語呂が良いので、結果、左 灯心(ひだり とうしん)となったわけです」 「皆さん、どう思います? この左くんのheavy-moon……わたしはモひとつですね」 「こらこら」 「もっと捻らないと。そうしないと面白くないですから」 「べつに、ペンネームで面白さを伝えるつもりはありません」 「えー、そーなの? もったいないなあ……ちょっとわたしに考えさせてください。『さとし』をどういじるか……いじるか……いじる……か……あ! ああ!!」 「どうしました?」 「どちゃくそバッチグーのペンネーム、思い付きぃ!」 「heavy-moonは貫かないんだね……で? そのペンネームとは?」 「維持琉夏(いじるか)」 「変換ミスで生まれたようなネーミングですね? 『さとし』は関係なくなっちゃったし」 「いーじゃん、いーじゃん! 維持琉夏いーじゃん! 採用しての改名は?」 「もちろん、あり得ません」 「ドカーン!」
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加