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談雑6:ペンネームの由来
「左くんのペンネーム“左 灯心”って変な名前だよね」
「え、そう? 私は気に入っているんですけどね」
「今日は、どうしてそんな素っ頓狂なペンネームにしたのかをお訊きできればと思います」
「『素っ頓狂』っていう評価なんですね、司さんは。間が抜けていると?」
「あれ? 素っ頓狂って、『間が抜けている』っていう意味なんですか?」
「そのはずです……知らないで使ったの?」
「じゃあ、ちょっと違うな……そうだ、『血迷った』に変更します。左くん、『血迷った』の意味は?」
「だから、知らないのなら使わなくても……えーと、確か、『理性を失う』という意味だったんじゃないかな?……べつに私、失ってませんけど」
「自覚が無いのは重症ですね。まあ、でも、わたし優しいから、もう少し軽めの表現にしておきますね。えーと……そうだ、『無頼漢』、なんてどうですか? うん、いいんじゃないの? 『無頼漢なペンネーム』……よし、これで行こう!」
「それって、日本語的にどうなんでしょうね……」
「おかしい? 『厚顔無恥』にしときましょうか?」
「もう、どうでもいいですよ」
「『傲岸不遜』っていうのもありますけど。あ、あと、『ドッチラケ』とか」
「思い付きを言いたいだけですよね?」
「heavy-moon」
「は?」
「重い月」
「……」
「さ、気を取り直していきましょう! 左くん、どうしたのぉ、疲れた顔しちゃって」
「だれかさんのせいですよ」
「あー、わたしのせいじゃなくて良かったぁ、うふっ♡」
「はいはい」
「左くんのこだわりのせいで、話がなかなか進みませんでした。読者の皆さん、ごめんなさい! では仕切り直します。
えー、今日は左くんが、どうしてそんな犬も食わないようなペンネームにしたのかをお訊きできればと思います」
「それはですね、私、ギブンネームが――」
「おいおい、突っ込まないと」
「え?」
「『「犬も食わないような」って、また表現変わっとるがな!』みたいな突っ込み、ここでぶち込んどかんと!」
「いや、それすると、全然進まないからスルーです」
「突っ込まないと、ないちゃうぞ。メエェェェェェって、ヤギかよ!」
「……気がすんだ?」
「……ふ……不完全……燃焼(涙)」
「そういう日も受け入れようね。司さん」
「……」
「えーと、どこまで話したかな? あ、そうそう、私のギブンネーム、『さとし』っていうんですけどね」
「あれ? それ言っちゃうの? 確か以前、左くんの本名を公表しようとしたら『絶対ダメ』って言ってたよね?」
「フルネームは明かしません。『さとし』もよくある名前だし、ひらがな表記なら問題ないと判断しました」
「へーそー。で?」
「その『さとし』を少しいじったんですね。さとし……さとぉし……さ とぉしん……さ とうしん……って感じにね。それを漢字に当ててみて『さ』は『左』、『とうしん』は『灯心』と、こうなったわけです。『左』は『ひだり』と読んだ方が語呂が良いので、結果、左 灯心となったわけです」
「皆さん、どう思います? この左くんのheavy-moon……わたしはモひとつですね」
「こらこら」
「もっと捻らないと。そうしないと面白くないですから」
「べつに、ペンネームで面白さを伝えるつもりはありません」
「えー、そーなの? もったいないなあ……ちょっとわたしに考えさせてください。『さとし』をどういじるか……いじるか……いじる……か……あ! ああ!!」
「どうしました?」
「どちゃくそバッチグーのペンネーム、思い付きぃ!」
「heavy-moonは貫かないんだね……で? そのペンネームとは?」
「維持琉夏」
「変換ミスで生まれたようなネーミングですね? 『さとし』は関係なくなっちゃったし」
「いーじゃん、いーじゃん! 維持琉夏いーじゃん! 採用しての改名は?」
「もちろん、あり得ません」
「ドカーン!」
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