ケース2️⃣ 前世呪怨

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貴志が何気なく、英彦へ言った。 「あのう、大友さん。幸せの形の一つとして、あなたも明日香さんの事が好・・・。」 と言ったところで、列車のドアが閉まるベルが大きく鳴り響き、その言葉を打ち消した。 慌てて、英彦が聞き返す。 「え? 何です?」 「あ、・・・いいえ。」 と貴志は口籠もり、()えてもう一度尋ねなかった。 そして、列車のドアが閉まる。 窓ガラス越しに二人を見つめながら、英彦を乗せた列車はゆっくりと走り出していった。 列車をいつまでも見送る二人。 貴志が呟いた。 「大友さんの、・・彼の夢が、ここから始まるんだね。」 叶恵は、何も言わずに静かに頷くのだった。 ———— ケース3に続く ————————
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