ケース2️⃣ 前世呪怨

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その後、真理は警察へと出頭し、これから裁判等によりその罪への刑に服することになる・・・。 それから、一ヶ月程が経った。 心地よい気候の中、展望台の頂上から景色を眺める宗一郎と葵の姿がある。 葵が少し笑顔を出して言った。 「パパ。きっとママは帰ってくるよね。」 宗一郎も、微笑んで答える。 「そうだな。ママはきっと帰ってくるよ。」 二人は、この展望台から広がる景色に包まれながら、いつまでも眺めているのだった。 ふと、駅のホームに立つ貴志と叶恵がいた。 その近くに大友 英彦の姿がある。 大きなスーツケースを二つ両手に持ち、頭を下げた。 「どうしても行くんですね。」 貴志が聞く。 「あ、はい。社長と葵さんにも、お話して承諾して頂きましたから。」 横から叶恵が嫌味混じりで言った。 「確かに私が占ってやって、やってみれば成功する、って言いましたけど。あの〜、時期がですね。私は、春頃ってきちんと言いましたよね?」 そう言われて、英彦は苦笑する。 「はい。言いましたけど。あの私、占いを聞いたから、今回自分の夢をもう一度やってみようと思ったのではないんです。」 貴志と叶恵は、黙って聞いていた。 「占いや何かに頼るのではなく、この先の自分自身の人生、自分の力で描いていこうって思ったんです。だから急ではあったんですが、即実行しようと決めたんです。この年齢ですし、限られた時間の中で、納得のいく幸せってものをもう一度探してみようと思いまして。」 貴志は、ニッコリ笑い返して言う。 「素晴らしい事だと思います。」  叶恵もまた嫌味を込めて言った。 「ちょっと、私の占いを無視しているのは、気に食わないけど。」 そこで、三人は笑いあう。 そして、英彦は再び、二人に深く頭を下げた。 「本当に色々とありがとうございました。では、またいつか。」 そう言って、英彦は列車に乗る。まだ空いている扉から、じっと見つめている英彦。
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